今回は、ブラジルの歌手、ナラ・レオンの「私の初恋」をご紹介します。
このアルバムは、彼女が子育て真っ最中の時期に、録音されました。
もともとボサノバの枠に囚われない音楽活動をしてきたナラ・レオンのアルバムとしては、異色ともいえる、シンプルなボサノバで、とても楽しい内容です。
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私の初恋
「私の初恋」は、1曲目がブラジルの童謡であったり、子どものための音楽が中心だとのことです。
6曲目の四葉のクローバーは、ブラジル音楽ファンはどこかで耳にしたことあるかわいらしいスタンダードな楽曲です。ここでは、フルートやアコースティックギターが柔らかい雰囲気を演出しながらしっかりサンバのリズムが心地よいアレンジになっています。
私は、この楽曲の数ある演奏の中でも、ナラ・レオンのこのアレンジが優しくて好きです。
アコースティックギターはナラレオン自身が弾いていたと僕は記憶しています。
このアルバムは、非常にオーソドックスなアレンジで、大抵ピアノとアコギが同等の役割を果たしているのですが、これが非常に素晴らしいコードの積み方になっているのです。お洒落で、印象に残るコードの積み方。そして、歌が最大限に生きるボイシング。
5曲目の「ブラナサンの恋人」も超有名楽曲で、アコーディオン、アコギ、ウッドベース、ピアノでのアレンジなのですが、コードの積み方が各楽器、洗練されていて、それが合わさることで、シンプルでオーソドックスなコード進行にも関わらず、飽きずにいつまでも聴けます。とても美しいですね。
この記事はいつも、実際、アルバムを聴きながら書いているのですが、「今のコードは何だろう。」とついつい手が止まってしまいます。
アルバム全体を通じて、さりげなく、色んな楽器が登場するのも楽しいところですね。
これは、もしかしたら、子ども向けに狙っているのかもしれませんね。フルートの使い方など本当に楽しい気持ちになりますので。
ついつい、音楽を技術面で見てしまいがちな私ですが、やはりこのアルバムの最大の魅力は、ナラ・レオン自身の、柔らかい歌声です。あまりに柔らかくて、心地よくて、いつのまにかうとうとしてしまいます。心地よいアコースティックギターとの相乗効果がすごいです。
きっと、自身の子どもたちのために歌っているんでしょう。心なしか、愛が溢れてます。
もともと子どものためにつくられているアルバムですので、口ずさみたくなるメロディーと楽しいアレンジなんです。しかし、それだけには収まらない、ボサノバに触れる、ブラジルの音楽に触れるきっかけとして、非常に適したアルバムだと思います。
まだ、聴いたことの無いかたは、だまされたと思ってぜひ一度聴いてみて下さい!
もちろん、子どもと聴くのもよし。1人でリラックスしながら聴くのもよしですね。全体的に、カフェで流れていそうな肌触りもありますので。
とても心地よい音楽なので、寝かしつけにも良いかも?
それでは、また次回。
いつも読んで下さってありがとうございます♪
ライター:櫻井 詩郎