世界中のギタリストを震撼させた光速速弾きギタリスト「インペリテリ」は、洋楽へヴェメタル・スピードメタルを語る上でかかせません。インペリテリの時代は早弾きが1つのステータスでもあり、技術戦争のような時期でもありました。
インペリテリよりも速く弾くことができるギタリストは、実は珍しくもないのですが(例えばジョージ・べラスなど)、インペリテリは楽曲を崩さない程度の高速で、且つメロディラインがそれなりに音楽性があるから評価されているのかと思います。
ファーストアルバム「インペリテリ」
自身の名を冠するファーストアルバムでデビューしました。若干、速弾きに傾倒しすぎで、ヌケの悪いサウンドが目立ちますが、ギターキッズに衝撃を与えるには十分なほどのインパクトのあるギターです。ロスト・イン・ザ・レインのイントロのリフは最高にクールです。
良い意味で古臭く、アングラな感じを受ける名盤ですね。
バランスのよい「ヴィクティム・オブ・ザ・システム」
収録曲はわずかに5曲ですが、音楽性も高く、曲のバランスもとれていて、全て聞いていても飽きない名曲揃いです。
出だしの1曲目(ヴィクティム・オブ・ザ・システム)は、スピーディーでノリがよく、ギターソロもサウンドが抜けるようになり、気持ちの良い歪具合です。
3曲目のギターインスト、「グローリー」は伝説的なギターインストで、17th Century Chicken Pickin'に並ぶ、知る人ぞ知る名インストです。
5曲目の「ザ・ヤング・アンド・ザ・ルースレス」では、ただのヘヴィメタ・デスメタにはない豊かな音楽性を感じます。
スピーディーなリフ「スクリーミング・シンフォニー」
どの曲もインペリテリらしい颯爽としたリフが光るアルバムです。特に、テクニカルギターインストの最高峰である「17th Century Chicken Pickin'」は、技巧派ギタリストならぜひ挑戦したい1曲です。
「17th Century Chicken Pickin'」はスケールの上下を繰り返すだけの、いわゆるアドリブ的な単調な速弾きではなく、メロディラインがかなり緻密に考えられています。
とても速い流れのなかでスキッピング(弦を飛び越えて弾く)やスウィープなども出てくるので、追いつくだけではなく、リズムキープも難しいインストです。
ちなみに、ベスト盤にも収録されています。
インペリテリがアニソンを弾く!『アニメタルUSA』
アニメの名曲をへヴィメタにアレンジ・・、よくありそうですが「アニメタルUSA」は超級へヴィメタ野郎の集まりで、本気度が違います!ハイテンポ・テクニカル・重圧と三拍子揃ったアニソンは、もはやヘヴィメタ名盤扱いすべきでしょうか(笑)。
アニメタルUSAの参加メンバーは豪華の一言、ギタリストはインペリテリです。オフィシャルの紹介は次のような感じです。
光より速いギタリスト 「クリス・インペリテリ」
世界最速、光速ギタリストの称号を持つギタリスト、速弾きキング。本アルバムでも、音楽的側面を無視しない速弾をかましてくれていますが、激しくも粗さを感じないリフのほうが注目するところかもしれません。(アニメタルUSAは、特にギターソロではインペリテリらしさはあまりないように感じます)
歌うマーシャルアンプ 「マイク・ヴェッセーラ」
LOUDNESS、イングヴェイのボーカルを担当して一躍有名になった人間アンプ。どんなに楽器がうるさくても、彼の声は鼓膜を刺激、だけど案外声はキレイ。(笑)
ちなみに、イングヴェイの"Seventh Sign"というアルバムに参加していますが、タイトル名でもあるSeventh Signのオクターブ移動するスウィープのギターソロは、聴いた感じ派手ではありませんが、超難しいです・・
重力より重いベース音 「ルディ・サーゾ」
オジー・オズボーン、ホワイトスネークなどのハードロック系ベーシスト、イングヴェイのライブツアーにも参加しています。ちょっと異色で3Dアニメーターでもあるようですが、今回アニメタルUSAに参加したのと何か関係があるのでしょうか・・・(笑)
ツーバスの巨人 スコット・トラヴィス(初代ドラム)
ポール・ギルバート率いる"Racer X"やジューダス・プリーストのドラマー、ツーバスの巨人スコットトラヴィスは、現在脱退しています(後任は、スレイヤーの"工事現場よりうるさいリズム" ジョン・デッテ)。